2021年04月16日
ウワバミ
真夜中。黒川は目を覚ましベッドから起き
キッチンで水を一杯飲んで、また寝室に戻る。
毛布の膨らみの中にイツキの姿を確認して
なぜか、安心する。
最近は仕事が忙しいこともあり、あまり、イツキに構ってはいなかった。
石鹸屋で適当に働き、女友達と酒でも飲み、たまには佐野あたりと遊ぶのも良いだろう。
それで十分、いい暮らしだろうと思ってはいるが
何か、ストレスでも溜めているのか。
少し、様子がオカシイ気がするのは……、気のせいだろうか。
そうだとしても
それに向き合い一緒に解決してやろうなどという優しさは
持ち合わせが無い。
自分から男の腰に跨って、ほぐした箇所にモノの先端をあてがい一気に飲み込む。
痛みに顔を顰めるも、それすら良くなってしまうのか、湿った息を一つ吐いて
とろりと潤んだ目で見下ろし、浮かべる笑みは狂気さえ帯びていて
ゾクリとする。うっかりすると、こちらが全て喰われてしまいそうだ。
イツキの性質は黒川自身が一番よく知っているが、これほど貪欲な姿は珍しい。
「………ただの欲求不満か。………それぐらいが丁度いいのか。
……………は。…………あいつにこの半分でも色気があれば良いんだがな……」
黒川はふふと鼻で笑いながら、そんな事をつぶやいた。
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