2021年07月21日
ラストオーダー
食事がてら軽い飲み…のつもりだったが
結局、イツキもミカも話が尽きず、ラストオーダーまで居てしまった。
「ああ、もう。元気になったと思った次の日は二日酔い、なんて
ダニーに怒られちゃうよね。あの人も、そーとー呑兵衛なんだけどね。ふふふ
この間はね、一人で酒蔵見学に行ったらしくて、そこでも飲んで、お土産も貰って
家で飲んでたらそのまま寝ちゃって、気付いたら、眼鏡が下敷きになってて…って」
最後に頼んだ甘いカクテルを飲み干し、ミカが笑う。
今日のミカは余程楽しく、嬉しかったようで、笑顔もふわふわとしている。
…女性に対して興味のないイツキでも、ミカは、可愛いと思うし
おそらく今回は色々と心配を掛けてしまったのだろうと…少し、反省する。
「…ミカさん、明日のシフト、替わりますか?」
「大丈夫だよ。午前中は百貨店のスタッフが入ってて、あたしは15時からだもん。
ダニーは、自分が入りますか?なんて言うんだけど、イヤ、若い女の子にしてって頼んだのよ。
さすがにね、ハーバル向きじゃ無いわよね。ふふ。
ああ、だからね、…イツキくんは、お休みして。カレシさんとデートでもして?」
「……しませんよ!」
そう言って、イツキも笑う。イツキにしても、今日は楽しいお酒だった。
一緒に仕事をしてきたミカとこんな風に付き合える事が嬉しかった。
じゃあね、バイバイと手を振って、居酒屋の前で別れ
ミカの為にも、この仕事にもっとちゃんと、真面目に向き合おうと思った。
「……それにしてもミカさん…、茗荷谷マネージャーの話し、…多かったな…」
通りでタクシーを拾い、ふと、イツキはそんな事を思った。
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