2021年08月16日
ハーバルの日
すっかり調子を取り戻したイツキは朝から元気に働き
午前中の内に頼まれていた商品の整理と
棚の入れ替えも済ませ
常連の年配のご婦人とにこやかに会話し
お友達に勧めるの、と、詰め合わせを選ぶ手伝いをした。
「…茗荷谷マネージャー、白い紙袋の在庫って、こちらにありますか?」
「ええ。…手付きのですね、はい」
足りなくなった備品を貰いに事務所に行く。
茗荷谷はイツキを久しぶりに見たような気がして、それでも、以前のイツキに戻ったような気がして
知らずのうに、笑顔になっていた。
その笑顔に、イツキが気付き、少し不思議そうな顔をする。
「…ああ、いや。…その。……イツキくん、少し調子を崩していたでしょう。
ちょっと気になっていて…
でも元気になったって、この前、ミカさんから報告があって…。」
「あ。…ご心配をお掛けしました…」
「はは。何だか表情が明るくなった。
もう、ミカさんまで、暗くなっちゃっていたからね。
落ち着いたのかな。…うん。良かった」
そんな話しをして、イツキは事務所を後にする。
店舗に戻りながら、茗荷谷もミカもそんなに自分を気遣ってくれていたのかと
イツキは思い、そして
すっかり忘れていた、もう一人を思い出した。
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