2021年08月30日

西崎戦・3








正確に言えば西崎は、イツキを嫌ってはいない。
好きでも嫌いでもない。ただ、商品として興味がある、といったところか。
商品としては申し分なく極上で、お零れに預かれるのなら文句はない。

けれど時折り生意気を言い、社長を煩わせ、こちらの仕事にまで迷惑を掛ける。
それが腹立たしく、忌々しく思うことは多々あった。




「……西崎さんと俺も、……長いよね」
「………お?…おお」




だから何だと西崎はイツキの話の続きを待つが
イツキは、ふふ、と笑い、もう自分の中で完結しまった様子。
不敵な笑みに西崎は少し腹を立て、同時になにか…化かされた気もして…
…ついと歩み寄り、イツキのすぐ目前まで詰め寄る。



「……何だよ。長い付き合いの俺に、詫びでも入れる気になったのか?」
「…入れないよ」
「………今日は随分しおらしいな。……可愛がってやっても良いんだぜ?」
「…マサヤに怒られるよ。…西崎さんが」



身体を擦り寄せ、これみよがしに股間を押し付ける西崎だが
イツキはちらりと視線だけで見上げるだけ。
誘っているのか拒否しているのか。
あと何か一つ、イツキを従わせる強い言葉があればいいのだが、…押して、良いのか。




「………それぐらいにしておけよ、西崎」





珍しく西崎が次の手を迷っている内に
事務所の扉が開き、黒川が、中に入って来た。






posted by 白黒ぼたん at 13:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/188961072
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック