2021年09月16日
冗談
「…マサヤが…」
「……うん?」
「あんな事、言うなんて思わなかった。…西崎さんに…」
夜。
二人の部屋。
ベッドの上で交わりながら、イツキがポツリと呟く。
「…西崎はお前を、…ただの商品だと思っているからな。
まあ、そうやって扱って来たのだから…仕方もないが…」
中を掻き回していた指をずるりと引き抜いて、黒川が言う。
イツキは小さく声を漏らし、もじもじと腰を揺する。
「……俺の、って。……ふふ。
俺のだから好き勝手に使っていい、じゃなくて。
俺のだから、もう、誰にも触らせない、…って事だよね。ふふふ…」
思い出し、その意思を確認するように反芻し、イツキは笑う。
黒川は照れ臭さを誤魔化すように、乱暴にイツキの体勢を変え
足を抱え、中心に中心を押し当てる。
「…言った以上、お前もホイホイ遊んで来るなよ。
西崎とヤリたいのなら、話は別だが。
…お前のケツは…まあ、緩いからなぁ……」
「そうだね。…マサヤだけじゃ、…足りなくなるかもね」
最近のイツキは、こうやって答えを返す。
黒川はギョッとした様子で見返す。
「……冗談だよ。…マサヤ」
イツキはまた、ふふふと笑って
自ら誘うように、腰を、黒川に差し出した。
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