2021年10月01日

言わずもがな










黒川は酷い男だった。

親子ほど歳の離れた少年のイツキと、そんな関係になった事は
ひとまず、置いておいて。

そうだとしても、その内容は酷過ぎた。



客を取らせる。
人前でも平気で慰み者にする。
イツキがどんなに拒否する日でも、叩き、縛り
自分に従わせて来た。

身体も心も何度も引き裂かれ、踏み躙られ
それでも離れることは許されず、さらに行為は続いた。







「…それなのに今、こうやってご飯って、おかしくない?」
「そうだな。…お前も余程、阿呆だって事だろ?」
「…その言い方…」


昔のことをツラツラと思い出し、イツキは黒川を睨む。
けれどもう大分酔っているようで、目に力はない。
食事ももう終いだと、黒川は熱い茶をすする。

多少拗ねてヘソを曲げても、メシと酒で解決できるなと、黒川は鼻で笑う。




「やっぱ、酷い。でもこんなに酷いのに、…こうなっちゃうんだよ?
だから、マサヤ。あんまり、レノンくんと…いい感じになっちゃ、駄目だよ」

「なんだよ。やっぱり…妬いてるのか」

「うん」




そう言ってイツキは、小さく笑う。

黒川は急に息苦しくなり、自分もかなり酔っているのだと思った。







posted by 白黒ぼたん at 19:51| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記
この記事へのコメント
ヤキモチを妬くイツキは可愛いですね〜
そんな態度を今まで取られたことの無い
黒川はどうしたらいいのか分からないですよね!
Posted by はるりん at 2021年10月02日 17:30
恋愛真っ最中な黒川です。笑笑
イツキ、もっと振り回してやって!
Posted by ぼたん at 2021年10月04日 20:27
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