2022年01月06日

半分









「……えっ、……うそ。……マジ?……ヤダ」



ハーバルの仕事を終え、店舗から出ようとしたイツキが思わず声を上げたのは

正面に、黒川の姿を見付けたからだった。

おそらく半分は、イツキが帰り道にうっかり強姦されるのを心配しての事。
あとの半分は、嫌がらせだった。




「……どうしたの、マサヤ…」
「迎えに来てやったんだろう。とっとと着替えて来い」
「……外で待ってればいいのに……」
「ふん。安っぽい店だな」



そう言って鼻で笑う黒川を尻目に、イツキは急いで奥へ戻り、帰り支度をする。
ショーケースの陰からミカが半分顔を覗かせ、この場所にはあまりに不似合いな客に驚く。

黒川がイツキの「彼氏」だという事をは知っているが
その彼氏がイツキを振り回し、困らせている事も知っている。

とりあえず、視線が合ってしまったので、ミカはペコリと頭を下げる。
黒川は棚の商品の、ガラスの小瓶を指で弾きながら、軽く頭を傾げた。






戻ってきたイツキと黒川が百貨店の外に出ると
正面の道路にはハザードを付けたままの車が止まっていた。

運転席には、佐野の姿。

佐野は、殴られた痕なのか、顔をの半分を赤く腫らせていた。







posted by 白黒ぼたん at 10:50 | TrackBack(0) | 日記
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