2022年01月16日

佐野っち昔話・1









佐野の運転で黒川とイツキが向かったのは、少し離れた通りにある焼き肉。
駐車場に車を入れると、佐野にはそのまま、車で待てとの指示。

帰りの運転手は必要だし、今は、3人仲良く食事をとる雰囲気では無いのも解るが
さすがに気の毒だと、イツキは佐野を伺い見る。


「佐野っち…」 
「……いいから、早く行けよ、イツキ」
「…うん。…ね、佐野っち、その顔の…殴られたのって、…マサヤ?」
「ああ。……いや、この間は悪かったな。俺が、悪い」


確かに、あの一件は、佐野の不注意がキッカケだったのだし
制裁を受けるのは仕方がない。
佐野は少ししょげた様子でイツキにも詫び、
黒川が待っているのだから早く車から降りろと、ひらひらと手を振った。





「ふん」





黒川とイツキが店内に入り、佐野は一人車内で鼻息を付く。
まあどうせ2、3時間だろうと煙草に火を付け、窓を開け、煙を吹かす。



イツキが黒川のものだと



解ってはいるのだけど。



佐野の中ではどこか、自分だけは、特別な関係のような気がして



その都度、それを正され、思い知らされる。






「…いや、でも、俺とイツキって…長い付き合いだしよ……」




佐野はひとりごち、ぼんやりと、昔の事を思い出していた。







posted by 白黒ぼたん at 00:08 | TrackBack(0) | 日記
この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/189273624
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック