2022年01月17日

昔話・2










最初にイツキの『仕事』の送迎を頼まれたのは、西崎経由だった気がする。
黒川が気に入っていた子供だったが、負債が嵩んだか何かで、
外に、ウリに出されたようだった。

この頃はあまり、黒川とイツキが一緒にいることは無かった。
まあ、ただの「商品」なんだろうと気にも留めなかったが。

確かまだ、中学生だ。
ホテルの入り口まで車で送り、事が終われば、誰にも見られ無いように回収する。

濡れた髪。青白い顔。噛み締めた唇。
いちいち干渉していられないが、何度顔を合わせれば、情も湧く。







『…なんで、こんなコトしてんだ?』
『…お父さんの仕事が…駄目で……、マサヤに、助けて貰って…』
『はーん。良く聞くヤツだな』


車の中でそんな話しをするようになる。
借金で雁字搦めにして本人や子供を搾取するのは、この商売の常套手段。
けれどその相手に、マサヤと、名前で呼ばせているのは
違和感を感じた。


特別なのか、そうでは無いのか。どうでも良いのか。




佐野がイツキとうっかり関係を持つようになったのは、割と早い時期だった。




ホテルの部屋に迎えに行って、まだ収まらない身体を捩らせて
ベッドの上で湿った声を上げるイツキに

欲情するなと言う方が無理な話しだ。

イツキも大人しく抱かれていた。
下心のあるクソみたいな優しさでも、多分、あの時には必要だったんだろう。





posted by 白黒ぼたん at 20:00 | TrackBack(0) | 日記
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