2022年03月18日

思惑・最終話










終わってみれば二人とも強く抱き合ったまま、少し、うとうとと眠り
目を覚ませば視線を絡め、唇を重ねる。

思惑は所詮、思惑で。
互いの思いや今の立場や、色々と確認したいこともあるのだろうが
目の前の肉の欲にかかれば、それは些細なものだった。




それでも。






「……マサヤ…」
「…何だ?」
「俺、…マサヤとのエッチ、……すき」



すでに明け方。締め切りとはいえ部屋の中はうすら明るい。
イツキは穏やかに微笑み、真正面から、そんな気恥ずかしいことを堂々と言う。

そして事もあろうか黒川に、「…………マサヤは?」と聞き返すのだ。



「…………ああ」



否定はしない。黒川にすれば上出来の答えだったが、今日のイツキはそれでは終わらない。




「…………すき?」
「……ああ」
「………」



もう一度聞き直し、そんな相槌では解らないとでも言うように、さらにぐっと黒川を覗き込む。
摺り寄せる身体はまだ少し熱を帯びている。立つ、匂いに、先ほどまでの精の生臭さが残る。




「……………すきだよ」




気迫に押され、うっかりそう言ってしまってから、これでは意味が違うと黒川は思ったが


イツキがとろけるような笑顔を見せ、さらに身体を寄せ抱き付いてくるので






そういう事になってしまった。










思惑・おわり

posted by 白黒ぼたん at 14:03 | TrackBack(0) | 日記
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