2022年05月21日

月曜日の朝









イツキが出掛けてしまう日の、前の晩の黒川は、仕事という名の飲み会で
部屋に帰ったのは明け方近く。しかもまあまあの酔っ払いだった。

朝、巣箱から出たイツキは、寝室の酒臭さに驚く。



「…マサヤ、昨日は飲み過ぎ?……俺、そろそろ出ちゃうからね?」
「……どこに?」
「今日から出張だってば。…帰るの、明々後日の木曜だよ…」
「………ああ」



イツキが仕事で2、3日帰って来なくとも、別にそう、心配はしていない。
一応、二十歳の成人男子だ。電車にだって一人で乗れるのだろう。
出掛けた先でお楽しみがあっても、何かトラブルに巻き込まれても
自己責任だ。多少のことは自分で何とか出来るだろうし、いい加減、してもらわなければ困る。

黒川は本当に、そうは、思っているのだ。






「……イツキ。……行くの、止めろ。……俺と…いろよ」




酔いの残った、半分、眠りに落ちた呆けた様子で黒川がベッドから手を伸ばした時には



すでにイツキは身支度を済ませて、部屋を出て行った後だった。





posted by 白黒ぼたん at 22:41 | TrackBack(0) | 日記
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