2022年06月18日

水曜日の夜・1







出張の最終日。水曜日の夜はナカナカ大変だった。


二日、傍を離れただけでどうにも変な具合になってしまう黒川との関係を思いながら
午後は、林田の話を聞き流していたのだけど

『俺、近いうち、転勤なんだ。海外でも良いって希望、出してる』

などという話に、ドキリとしてしまった。

地元産業の架け橋的な商社に勤めているが、もっと視野を広げたいと思っていること。
幸い、会社でも能力を買って貰っている。勉強出来る内に勉強させて貰い
行く行くはもっと、地域の為に貢献出来る様な仕事を興したいと思っていること。

イツキの前で多少格好を付けた部分もあるのだろうが、素直に、偉いなと思う。
自分には、出来ない仕事だけれど、自分でも何か、もっと、ちゃんとした…
何かが出来るものだろうかと……漠然とした、不安のような…期待のような

そんな気持ちが起き、ザワザワしてしまった。






「……なんだよ。シケた宴会だな。コンパニオンもいないのか。
じゃあ、まあ、お前でいいや。隣、座れよ。ちょっとは雰囲気、出るだろう」


そうかと思えば、夜は夜で、また違う意味でザワザワする。

夜は、ハーバルと取引のある数社で、ちょっとした飲みの席が用意されたのだが
昨日出会った、あの、イツキを小馬鹿にしていた男も招かれていたのだ。





posted by 白黒ぼたん at 22:05 | TrackBack(0) | 日記
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