2022年07月08日

水曜日の夜・10









「……なんかイツキくんってさ、いつも危ない事に首突っ込んでるよね、趣味なの?」
「………………違います…」


松田の登場でイツキの危機は一応、回避されたらしい。

酔っ払った勢いで若い男の子相手に股間を晒すという、まあまあ恥ずかしい状況を仕事の関係者に見られ、
小山は大慌てでその場を立ち去り、宴席には戻って来なかった。


「………あの人、嫌味言ったり、うちの社長を馬鹿にしたりで……イヤだったんで、ちょっとからかってやろうかなって……」
「そう言うのね、ミイラ取りがミイラになるって言うんだよ」
「……………まあ……、………そうですね……」



イツキと松田は座敷に戻り、小声でそんな話をする。
確かに、危ないトコロだった。イツキの酔いも少し冷め、自分の軽率な行動を反省する。

見るからにしょんぼりと項垂れ、水割り用の水を啜るイツキを、松田は可笑そうに眺める。







宴会が終わると松田は車を呼び、イツキを送ると言う。
借りが出来てしまったイツキは、それを断ることが出来なかった。






posted by 白黒ぼたん at 23:14 | TrackBack(0) | 日記
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