2022年07月19日

水曜日の真夜中・3









「……松田さんは、……女の人と、する?」
「……え?……ああ、そりゃあ、ね…」
「…………そうだよね」


適当な愛撫を繰り返して、今度はイツキが、松田のものを口に収めていた。
松田は枕を背に、少し体を起こし、自分の股ぐらに顔を突っ込むイツキの髪の毛を撫ぜる。
イツキの問いには流れで答えてしまったが、それは、質問のための質問だったと後から気付く。


「……何?……女性問題?………黒川さんの?」
「…問題って程じゃないんでしょ?………するのなんて…」
「まあ状況にもよるだろうけどさ。……何?黒川さんの浮気?」


松田が茶化してそう言うと、イツキは上目遣いでチラリと睨み、……松田のものに軽く歯を当てる。
勿論それは痛みを感じる類ではない。むしろ、可愛い仕草で、松田は思わず腰を浮かせてしまう。

イツキは上手にそれをいなしながら、さらに丁寧に、舌を絡ませる。
まさかこれだけで達してしまうのではないかと、松田は少々、危機感を覚えた。

話を続けるのは、誤魔化すためでもあったのか。



「……それで、イツキくんはヤケを起こして、あんな事、してたのかな?」
「…ヤケなんて、…起こしてないです。……別に」
「…で、俺とヤルのも、当てつけか何かなのかな?
「…………」






イツキが答えあぐねている間に、松田はイツキの頭をぽんと押し上げ、自分から離す。

イツキの身体を巻き込むように身を起こし、今度は松田がイツキの上に覆いかぶさる。







「……そんなんで抱かれるとか、……あまり、良い気がするもんじゃぁ、無いね」



そう言う松田は、少し、怒っている様にも見えた。







posted by 白黒ぼたん at 00:06 | TrackBack(0) | 日記
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