2022年07月24日
水曜日の真夜中・5
松田は暫くイツキを見つめるのだけど、その真意は一向に解らない。
その場しのぎの遊び相手なのは、一体、どちらの方だったろうかと…迷う。
そんな中でイツキは小さく腰を揺すり、もう我慢出来ないと言った風に顔を顰める。
身体を反らせ、覆いかぶさる松田に無理矢理にでも摺り寄せる。
そして硬いものが当たると、はしたなく悦び、そのすぐ後に、恥じらう顔を見せる。
イツキが、男を誘う事を生業としているのは知っているし
松田も、そういった類の人種を扱う仕事をしているのだけど
「…………イツキくんは……、ほんと、ヤバいよなぁ………」
「……おれ、………欲しがり過ぎですか……」
「……ああ」
もう、考えても答えの出ない事を考えるのは面倒だった。
イツキは、そう、なのだ。考える前に、欲に持って行かれる。
……いつの間にか、最初からイツキが仕込んでいたのか……、
すぐ手の届くところに潤滑剤のボトルが置いてあって
それを塗るだけでイツキは良い声を上げるので、逆に松田が、慌ててしまう程だった。
「………ヤバいよなぁ………」
熱と、ぬるりとした感触と。すっかり中に収めてから松田は再度つぶやくのだが
それが何に対してなのか、考える余裕はすでに無かった。
posted by 白黒ぼたん at 22:52
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