2022年08月21日
木曜日の昼下がり・7
酔い潰れて寝てしまい、気付いたら車で移動中、は
流石にイツキでも肝を冷やす。
薄く目を開け、辺りを伺い、今、自分がどういう状況なのかを探る。
今度こそ本当に、どこかに連れて行かれたとしても、おかしくはない。
「………えっと…、ごめんなさい…、俺、………飲みすぎ…た…?」
イツキは身体を起こして、座席にきちんと座り直す。
助手席の後側に寄り、斜め前の運転席の男に声を掛け……息を止める。
「………本当にな。飲み過ぎにも程がある。馬鹿が」
車を運転していたのは、黒川だった。
黒川が湯〜らんど極楽に到着したのは
酒を飲み過ぎたイツキがテーブルに突っ伏してから程なくしての事だった。
3時間ほど前に、松田は黒川に連絡を入れたのだが
それから直ぐに車を飛ばして、丁度の頃合いだ。
『おお、早かったじゃない、黒川さん』
『……松田。……何のつもりだよ』
『仕事、終わったイツキくんと風呂に来ただけだよ。何もないデショ?』
確かに。何もないのだ。今日のところは。
『でも、迎えに来てくれたんだ? 優しいね、黒川さん』
そう言って松田は、ふふふと笑うのだった。
posted by 白黒ぼたん at 23:10
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