2022年09月08日
大酔っ払い
「………馬鹿か!」
その夜のイツキは、何か作戦があったのか単に飲み過ぎてしまったのか
店を出る時には酩酊し千鳥足。
歩いて数分の自宅までタクシーを呼び、マンション前から部屋までは黒川が抱えて歩き
ようやく辿り着き、寝室のベッドに放り出す。
「……ごめんなさぁい……」
イツキは一応、謝り、あとは何を喋っているのかは解らない。
黒川は呆れ、盛大な鼻息をつき、イツキのシャツとズボンを脱がす。
酒臭い呼吸、力の入らぬ肢体。これではさすがにヤル気は起きない。第一
これでは事の最中に、腹の上にゲロでもされかねない。
「………お前は…俺がいない時でもそんな飲み方なのかよ?
これじゃあ、何か事故が起きても、……覚えてもいないぐらいだよなぁ」
文句を言いながら、それでも黒川は台所で水を汲み、イツキの傍まで持っていってやる。
イツキは半分身体を起こし、黒川に助けて貰いながらグラスの水を飲む。
「……マサヤ……」
「いいから、今日は寝ろ」
「……マサヤと一緒にいるの、なんか……溶けちゃう。おれ、だめ。
やっぱり、おれ、………マサヤのこと、好きなのかなぁ………」
そう言ってイツキは水を飲み干し、ニコリと笑って
ばたんと寝落ちしてしまうのだ。
posted by 白黒ぼたん at 22:00
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