2022年10月25日

男の話・4









有り金を全て叩かせて、客の男は帰すことにしたのだが
あまり反省の素振りのない少年は、残す。
部屋には若衆頭の浜野と、もう1人。
その2人で少年を挟み、散々脅してみるのだが、どこの所属かどころか名前さえも言わない。

拗ねた様子で唇を尖らせ、俯く顔。長いまつ毛が影を落とす。




『…痛い目、見ないと、解んねぇかな、兄ちゃん…』
『………痛い目を見れば……許してくれる?』


少し首を傾げ見上げる視線は、どこか挑発的で
それでいて浮かべる微笑みは、寂しげで、目前の男達は混乱する。                 







「……まあ浜野もな、本来ならその時点で俺に連絡すりゃぁ良かったんだがな。
まだ若いし、ヤンチャも抜けてなくてな……。
身元確かめて、上に報告してってする前に、なんだか…、面白がっちまったみたいで…」

「…そうだな。まったく。…どんな教育をしているんだか……」


他人事のように受け答えをする黒川に、男は、はははと軽く笑い返した。







『……ね。今、ここで…あんたの相手をしたら……許してくれる?』
『……悪いが俺はそんなシュミは無いぜ? ヤロー相手に勃つかよ…』
『じゃ、尚更。………俺で抜けたら、許してよ』





客引きの少年は身を明かすことと引き換えに、とんでもない提案をし

浜野もうっかり、それに乗ってしまうのだった。







posted by 白黒ぼたん at 23:05 | TrackBack(0) | 日記
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