2022年10月26日

男の話・5








男が事務所に帰った時には、すでに、コトは終わり、少年の姿もなく。
浜野は満足そうな…いや、むしろ…精魂持って行かれた風な様子で、長椅子に横になり
事の次第を男に説明するのだが、話の半分は、何を言っているのか良く解らないのだった。






『……面白い事言うな、お前。……まあ、いいぜ、やってみろよ』
『…………はぁい』


浜野は、もう1人の男と目を合わせニヤニヤと笑う。
二人ともこの商売。色事には長けているが、同性との趣味はない。
仕事上の付き合いはあるが、キワモノだ……変態だと、どこか侮蔑している様子。
こんな男娼相手に勃つかよと、せせら笑い、促されるまま長椅子に座る。


『………ちょっとだけ、灯り……、暗くしてもらっても良いですか?』
『……ああ』
『ありがとうございます…』


少年はもう一人の男に頼み、頼みながら、ゆっくりと自分の上着を脱ぐ。
特に色気を撒き散らし、シナを作る、訳でも無いのだが…所作は綺麗で

見惚れる程でも無いのだが………どこか、心に引っかかる。



単純に、綺麗な子だなと、男は思う。

あと。何か、良い匂いがする。





『俺、フェラは得意なんです。おにいさん、イチコロですよ』





わざわざそんな事を宣言するのが面白くて

そして、その後に見せる笑顔が……妙に艶かしくて。

ふと、油断した隙に、下半身に刺激が走った。





posted by 白黒ぼたん at 23:45 | TrackBack(0) | 日記
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