2022年11月21日
雪山
明け方にイツキは目を覚ます。
隣には黒川が眠っている。
お互い、裸だ。事が終わり、そのまま寝入ってしまったのだ。
所々濡れているシーツを避け、イツキは少し身体をずらす。
掛け布団を大きく引き、自分と黒川を頭からすっぽりと覆い被す。
素肌の温もりが心地良い。
雪山で遭難したら、こんな気分だろうかと、イツキは思い
雪山なんて行ったことが無いけれど…と、思い
でも、昨日まではまるで遭難していたみたいだな、と思う。
目の前の黒川にぎゅっとしがみつくと、黒川が目を覚ました。
「………ん、……何だ」
黒川は半分寝ぼけた声で呟く。
体勢を変えようと、身体を起こしかけるのだが
すぐにイツキに止められ、おまけに、恨みがましい目で睨まれる。
「……何だ?」
「…何だじゃないよ。……もっとちゃんと、ぎゅってしなくちゃ、駄目じゃん」
「……あ、…ああ」
良く解らない内に黒川は叱られ
イツキの言う通り、イツキを抱き締めた。
posted by 白黒ぼたん at 23:46
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