2022年12月03日
穏やかイツキ
「…いや、もう地元に戻るんだけどね。その前にイツキくんに会いたくてね」
ハーバルの売り場に松田が現れた時には、一体何事かと思ったのだが
まあ、確かに、こちらの仕事でも関係がある人だったと思いだす。
松田はきちんとミカにも挨拶をし、手土産の良いチョコなどを渡し
閉店時間を待って、イツキを飲みに誘った。
「だって黒川さんに、イツキくんに会いたいって言っても、取り次いで貰えないし」
「…松田さん、マサヤに会ってるんですか…?」
「俺、そっちの仕事もあるもん。…ふふ、色んな話、したよ、彼と」
松田は意味深に笑う。
……イツキと松田が時々…身体の関係になることは、今更話すことでも無いと思うが
では、他に、松田と黒川が何の話をするのだろうかと…、思う。
松田は、不思議だ。
深い仲になったところで、それ以上は求めて来ない。
それどころかそれをネタに、イツキと黒川の恋愛相談までするのだ。
イツキが好き、というよりかは、イツキと黒川の二人の関係が興味深くオモシロイと
以前に、言われたような気がする。
「で?イツキくん、黒川さんと別れる決意、したの?」
「………しませんよ」
「えー? 家、出るんでしょ? 俺んとこ来なよ」
「出ないし、…行きませんよ…」
松田は茶化すように軽く、そう言って笑い
イツキはそんな松田に甘え、………いつの間にかそんな風に心を寄せるようになったのか
穏やかに、微笑むのだった。
posted by 白黒ぼたん at 21:21
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