2022年12月25日
残業
「まだ終わらないの?」
佐野との食事を終えたイツキはマンションには帰らず
また、黒川の事務所に戻って来る。
事務所では黒川がまだパソコンに向かっていた。
「…問題が見つかってな。…クソ、こんな日に限って一ノ宮はいないし…」
「俺、何かすること、ある?」
「無い。……佐野と遊んで来ても良かったんだぞ?」
イツキは退屈そうに事務所の中をうろつき
若干、黒川はそれが気に障るようだ。
暇を持て余しているのなら、そのまま佐野とどこか、何か
出掛けたとしても、それは構わない。
と、懐の大きなところを見せてはみるが
勿論、本心ではない。
そんな事はイツキにも解っていて
相変わらずの軽口に不満気な表情を浮かべる。
「……もっと俺に手伝える事があればいいのに。
そしたら、もっとちゃんと、マサヤの傍にいて良くなるでしょ?
俺、マサヤと離れてると、ロクな事がないよ?」
イツキは少し酒が残っているのか、ゆっくりとした口調でそう言いうと
ソファに座り、いつの間にか眠ってしまっていた。
posted by 白黒ぼたん at 23:08
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