2023年02月10日

忙しいイツキ








最近のイツキは忙しいらしい。
石鹸屋の店長代理を任されて、張り切っているようだ。
あまり暇を持て余しても、下らない事ばかりしでかすので
適度に忙しい方が気が紛れて良いのだろうが、その加減が難しい。

その立場になってから何度かは、仕事帰りに事務所に立ち寄ったりもしていたが
面倒になってきたのか、それも回数が減って来ていた。
真夜中に黒川が部屋に戻ると
イツキが着替えもせずに、寝室の、大きなベッドで寝ている事が多くなった。


こんな時は、何と声を掛ければ良いのか………黒川は少し、困っていた。
『仕事にかまけ過ぎだろう。もう少し、俺との時間を作れよ』
では、余りにもストレート過ぎる。





朝。

何か違和感を感じ黒川が目を開けると
身体の上に、イツキが乗っていた。
体重を掛け過ぎないようにと多少の気は使っているようだったが
黒川の腰の上に跨がり、自分の腰を擦り寄せ、自慰でもしているようだった。



「…………何だ?」
「………あ、ごめんなさい。………マサヤが、……欲しくなっちゃって………」
「……勝手に始めるなよ。……馬鹿が」


黒川は呆れたように大きく鼻息をつき、取り敢えず


手を伸ばし、イツキの身体を引き寄せ、抱き締めた。






posted by 白黒ぼたん at 23:59 | TrackBack(0) | 日記
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