2023年09月16日

とばっちりイツキ・17









そもそも、黒川がイツキからの連絡に気がついたのが遅かった。
四六時中スマホを握り締めている訳でもないし、直ぐに取れない時だってあるだろう。
それを見たのは、イツキが部屋に連れ込まれてから1時間ほど経った頃。
その頃にはもう、折り返しの電話に答えることは出来ない状態だった。

『糞』

と、黒川は相変わらずの悪態を付く。
どうせまた自らトラブルを招いたのだろうと、少し呆れ、痛い思いをした方が勉強になるのではないかと
下らない事を考えかけていたのだが

その場に一ノ宮が一緒にいたのが幸いだった。

「二条虎松」の事はすでにリサーチ済みで、上部への連絡方法も解っていた。
急ぎ事情を説明し、これ以上コトが進むのを止めさせる。
二条が使うマンションの場所も解り、車を走らせたのだ。








暗い道路脇に座り込む2人の姿を見つけ、車を停める。
運転席から降りて来たのは一ノ宮だった。

助手席の黒川は車から降りずに、表情も変えずに、イツキを見るだけだった。






posted by 白黒ぼたん at 23:40 | TrackBack(0) | 日記
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