2024年02月20日

好きだの嫌いだの









黒川に抱かれながらイツキは
こんなにも黒川の挙動が気になるのはなぜなのだろうと考えていた。

好きだの嫌いだの。もう、そんな感覚はどうでも良くて。
仕事で、黒川が他人を抱くのも、まあ仕方がないのだと割り切ってはいる。
…自分だって、他で身体を開いているのだ。今更、セックスの有無は問題ではない。

とりあえず今は、一緒にいたいと思って一緒にいる。それだけで十分なのだと。

解ってはいるのだけど、どこか落ち着かない。その理由が解らないのは



……まあ、まだ人生経験の浅いイツキには仕方のない事なのかも知れない。





「…そう拗ねるなよ。……お前を忘れている訳じゃない……」
「……拗ねて、ない。……俺が、知らないのが……嫌なだけ」





黒川は、イツキの愛撫に勤めていた。
性急に腰を進めるだけではなく、指と舌を使い、丁寧にその箇所を解きほぐしていた。
『お前には関係がない。黙っていろ』と、一蹴しても良さそうなものを
そうしないのは、多少の後ろめたさを感じているからか。

きちんと、イツキの言葉を聞く。

それだけでも、大した進歩なのだ。




「…マサヤ」
「……うん?」

「…俺、…別に、怒らないから。……内緒事は、いや。

……言って? …なんでも」



手をやり、黒川の動きを止め、黒川と視線を絡めながらイツキはそう言う。




言いながら




今度はイツキが黒川に覆い被さり、黒川の股ぐらに顔を埋めた。






posted by 白黒ぼたん at 00:27 | TrackBack(0) | 日記
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