2024年10月01日
お喋りな一ノ宮・4
「…会った? 俺、その人に?……俺、その人と……した?」
「いえ、…していないと思いますよ」
「俺が会った人の中で、してない人なんて、いないよ。いつ、どこでだろう…」
黒川の「親」の話にイツキは思った以上に驚き、慌て、興味津々といった様子。
一ノ宮は少しお喋りが過ぎたかと、口をつぐみかける。
後は適当に誤魔化し、はぐらかしても良かったのだが
「2年ほど前ですか、イツキくんが高校の修学旅行に行った時です。
京都の病院に、お見舞いに行ったでしょう?
あの方が社長のお父様ですよ」
これも何かの機会なのかも知れないと、話す。
イツキはそれを聞き、今まで以上に目を丸く見開き、驚く。
「…お父様は関西地区では名の通った、まあ大物ヤクザというやつなのですが
…社長は庶子で。……ああ、お妾さんの子、というやつです。
向こうの奥様と折り合いが悪くて、まあ色々、面倒な事もあるようで
あまり大っ平に顔を出さない方が良いようなのです。
社長も今更、相続やら跡目やら、関わりたくはないのでしょう。
ああ、お父様は持ち直されて、まだご存命で…
お母様は早くに亡くなっています」
イツキは、当時の事を思い出しているのか、真剣な表情で固まっていた。
posted by 白黒ぼたん at 00:27
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