2025年05月08日

焼肉・6








「……俺は…、ハーバルにいたい。…やっぱり、仕事、してたい。
あそこにいると俺、やっとちゃんと、普通の人になれた気がする……

でも……

普通過ぎてたまに、もやもやする。
たまに、すごい……えっちがしたくなる……」



そう言ってイツキは手元の酒を一気に飲み干す。
…もしかしてイツキは結構酔いが回っているのではないかと、一ノ宮はイツキを見返すが

そうやって本音を話すイツキを黒川がどう収めるのかが、少し、面白くて

イツキの空いたお猪口に、日本酒を並々と注ぐ。
あろうことかイツキは、その酒すら、飲み干してしまう。


イツキはイツキで、そうやって酒の力を借りてでも
思っていることを全て吐き出したいのかも知れない。




「……阿呆か、お前は。ヤられている時は嫌だの何の大騒ぎで
それが無くなったら、今度は、物足りないだの、何のと。……面倒臭いな」

「だって、マサヤのせいでしょ?……俺をそういう身体にしたの」

「お前が、勝手に、エロいだけだろう。ああ、それであちこち遊んでいるのか。
……知っているぞ、お前が西崎の息子と会っているのも、他の男と遊んでいるのも」




そう黒川に返されて、イツキは、解りやすく口を突き出しムッとする。
確かにその通りなのだけど、そうなったイキサツを、少し考えてみて欲しい。




一ノ宮はハラハラしながら2人のやりとりを見守り
追加で、上ホルモンと骨付きカルビ、日本酒3合を注文するのだった。







posted by 白黒ぼたん at 23:06 | TrackBack(0) | 日記
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