2025年06月05日

焼肉おわり







一ノ宮を見送り、イツキと黒川も店を出る。
マンションまでは歩ける距離で、一応、その方向へと歩き出す。
黒川が半歩先を歩き、イツキは後ろから付いていく。
手を、繋げるほど、まだ酔いは回っていないようだった。


重要な話の途中だった気もするが、2人きりになるとどうにも…言葉が詰まる。
酒と肉と、一ノ宮が間に入ってくれた方が素直になれるのか。

「……マサヤ、コンビニ寄ってく?…牛乳、切らしてたかも……」

など、そんな事は本当にどうでも良い話で
もっと大事なことがあるだろうと、軽く、怒りすら覚える。




「……クソ」




黒川がついた小さな悪態は、自分自身に向けたものだった。



ふいに黒川は振り返り、イツキの腕を掴み、歩く向きを変えさせる。
道路の際まで行くとタクシーを呼び止め、2人、傾れ込むようにして乗り込んだ。






posted by 白黒ぼたん at 00:24 | TrackBack(0) | 日記
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