2025年09月20日

朝のやりとり








「…ん、……なんだ……」
「マサヤ」



朝。
気配に気付いて黒川が目を覚ます。
身体の上には被さる様にイツキが乗り、柔らかな髪の毛が、黒川の鼻先をくすぐる。


「俺、仕事行くけど」
「………ああ」
「今日は終わるの早いんだけど。…夜、ご飯、行こうよ」


とりあえず条件反射のように、黒川はイツキを抱きしめ、首筋に唇を寄せる。
が、イツキはそれ以上は求めていないようで、ぺちぺちと黒川の頭を叩く。



「お寿司屋さん、行きたい。この間の、煮穴子が美味しかったとこ」
「……ああ」
「ふふ。じゃあ、仕事終わったら事務所に寄るね」


そう言ってイツキは黒川の額にキスをし、身体を起こす。
黒川はまだ半分、眠っているような状態だったが、ぼんやりと、今日の予定などを確認する。

昼から用事が2、3ある。…その後、車で移動があるはずだ…。



「……イツキ。………事務所には…来なくていい。
出掛けるついでに、お前の石鹸屋まで迎えに行ってやる…」

「あ、そうなの?……ありがと」



黒川はまだ寝足りないと欠伸をかき、布団に潜ろうとする。
イツキは、一度ベッドから離れ掛けたが、黒川の言葉を聞いて、また傍に戻り
黒川の、今度は耳たぶに、優しく唇を落とす。





「……マサヤ。最近、事務所で何か、悪いことしてるでしょ?
……俺に見られちゃ、困ること……」



その言葉の意味にはっとし、息を一つ呑んだころ

イツキは
『…なんてね。…じゃ、行ってきます』と

大した事でも無かったように、ふふと笑って、寝室を出て行った。






posted by 白黒ぼたん at 21:24 | TrackBack(0) | 日記
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