2025年11月25日
黒川と松田・3
事務所の扉を開け、松田を外に追い出し
黒川も外に出て、扉に鍵を掛ける。
外階段を降りる間にも、松田は何やかんやと話を続ける。
「…イツキちゃん、本当に頑張ってるよ。いや、真面目に。
あんなに普通に仕事が出来るコと思わなかったよ。
昨日は、事務所の引越しも終わって、軽く…慰労会でさ……」
そうは言っても、階段は2階から1階の数段のみ。
話の途中で下まで着いてしまい、そこでまた、妙な間が出来てしまう。
黒川も、「じゃあな」と言って別れてしまえばいいのだが
松田も、丁度良い加減で、話を長引かせる。
「…慰労会でさ……、……楽しかったよ、イロイロ」
「……そうか」
「ん?イロイロの内容、聞かないの?」
「一々、気にしてられるか。まあ………」
途中で、黒川のケータイが鳴る。
黒川はスーツの内ポケットからケータイを取り、相手の名前だけ確認すると、すぐそれを切る。
……それは、黒川の車の中で黒川が来るのを待っている。先程の男からだった。
黒川は面倒臭そうに鼻で息をつき、松田の方を見返し、また違った溜息を一つつく。
「まあ、いい。
しばらくイツキは…そっちに任す。まだ、時間が掛かるんだろう?
あまり…、悪さはするなよ。ほどほどにしろよ」
と、それはおそらく、松田に言った言葉なのだろう。
黒川はじゃあなと手をひらひらさせて、奥の地下駐車場へ向かう道に消えて行った。
「…黒川さん。随分アッサリじゃん。
イツキちゃんに執着しないのは、新しい若いコが出来たからって事?
もしかして、以外と…脆いのか?…あの2人……」
松田は小さく独りごちて……めずらしく
悪い顔で、ニヤリと笑った。
posted by 白黒ぼたん at 00:24
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