2025年11月28日

松田とイツキ








あの、慰労会の後
松田は結局、イツキが泊まるビジネスホテルの部屋に一緒に入って行った。
『ビール一本分だけ。あと仕事の相談もあるでしょ?』
とはお互い、都合の良い言い訳で

部屋に入って、ビールの缶を開けて
今日は荷物を持ちすぎて肩が痛いなどと、ベッドの上で伸びをしたりマッサージをしたりして

そんな内に、イツキは

本当に、寝入ってしまったのだった。




ほぼ、その気になっていた松田は少々、面食らったのだが
そこで慌てるほど飢えてもいない。
本当に、疲れているのだろうイツキを抱きかかえ少し、自分もまどろみ
今のところはそれだけで良しと、紳士的に、部屋を後にしたのだった。




松田にとってイツキは……する時はするのだけど……可愛い弟のようなもので
イツキと黒川が一緒にいて、軽い揉め事でごちゃごちゃするのなどは、イベントのような感覚で
自分だけのものにしたい、などと、そんな感情は持ち合わせていなかったのだが

イツキがフリーで、誰のものでも無いのだとしたら、話は別。


二十歳を過ぎ、少年の線の細さは無くなったものの、凛とした透明感はそのままで
そこから滲み出る色気が、逆に、肉体的な欲望をそそる。
本人はまるで無自覚のようだが、そのバランスの悪さが、酷く良い。

元々、男同士の行為に興味の無かった松田でさえ、その魅力に取り憑かれる。



それも、無自覚のうちに。



本当に、タチた悪い。






posted by 白黒ぼたん at 00:22 | TrackBack(0) | 日記
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