2009年03月30日

嘘でもいいから



優しくされたいって思う。
ふわふわと柔らかい、大切なものを包むように抱き締められて
耳たぶと頬っぺたと鼻の頭に、ついばむようなキスを何度も繰り返されて
「愛しているよ」だとか「ずっと傍にいるよ」だとか、言われて
心地良くて眠ってしまうまで、くすくすと笑い合ってみたい。

そんなの、した事がないから、どんなのかは解らないけど。


窓際の座席は陽が当たって暖かで、なんだか幸福な夢を見ていたような気がするんだけど
急にお腹が痛くなって目が醒めた。
昨日、きれいに中を洗わなかったからかな…と、トイレに行ったら
出て来たのは、血で、驚いた。
昨日、あの変な機械で中を傷付けられたのかな…とりあえず血を拭いて
外に出た所で、もう、動けなくなってしまった。

お腹が痛くて、気持ちが悪くて、吐き気がして、ぐるぐるする。
誰か、誰でもいいから、助けて欲しいのに、俺の傍には、誰もいない。


誰もいない。


だったらもう、死んじゃえばいいのに。





『大丈夫ですかー?』


変に気の抜けた女の声が聞こえて来たけど
もう、顔を上げる気力も、残っていなかった。




posted by 白黒ぼたん at 22:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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