2009年04月14日

旅の恥はヤリ捨て?

「へー、イツキくん、16歳? コーコーセーなのー?
え?学校行ってないの? 何? オッス、オラ、ニートってやつ?」
「地元のコじゃないよねー。東京?東京から来てるの?俺らと一緒じゃん。
親と旅行?1人?嘘でしょー?」
「つか、ビール飲み過ぎだって!倒れちゃうよ。は?おかわり?」


都内の大学生だと言う3人は、休みを利用して、ここに来ているらしい。
親の持ち物だというリゾートマンションは温泉もスポーツ施設も充実していて、室内もホテル並みに綺麗だった。
買ってきたビールとお菓子をベッドの上に並べて、なんだかんだと他愛も無い話をする。
…俺の隣に座っている男の手が、さっきから俺の太ももに乗っているんだけど、まあそれは気が付かないフリをする。

久しぶりのビールが美味しい。
スプリングの利いたベッドも、気持ちいい。


「もう1本飲む?もう、泊まってけばいいじゃん。そこのソファ、ベッドになるしさ」
「それにしてもイツキくん。色、白いよねー。スポーツとかしてねーっって感じ?」
「茶髪は染めてるの?地毛?へー、サラサラだねー」


この数日、旅館でのんびり過ごせたのはいいけど、畳敷きに布団はどうも慣れなくて
夜中に何度も目が醒めてしまっていた。
真っ暗な部屋の中、隣の布団に寝ているのは、知り合ったばかりのリョーコさんで
ぼんやりとした頭の中で、これは誰なのか、とか、ここはどこなのか、とか考えたりする。
自分が誰なのか、とか。これからどうなっていくのか…とか。

急に怖くなって、また頭から布団を被って、身体を丸める。
こんな不安な夜は
酒に溺れるか、セックスに溺れるか、そのどちらか位しかする事はないのに。
そのどちらも出来なくて、泣きたくなるのを堪えて、電源の入らないケータイを握り締めていた。



「イツキくん。女の子みたいだよねー。言われるでしょ? 本当に男の子なのか、確かめてみたくなる…って」



アルコールが回って、ほどよくけだるい身体が、ベッドに押し倒された。


posted by 白黒ぼたん at 00:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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