2009年04月25日

イツキとリョーコ

「こんなに遅くまでどこに行ってたのよ?何やってたのよ?心配したじゃないのっっ」
「…どこだっていいだろ。あんたに関係ないじゃないか」
「関係なくないわよ。一緒にいるんだから。……なんか…変な匂いがするわ…」
「……酒と…精液。…セックスしたからね」
「……なっっっ」

言葉につまるリョーコを尻目に、イツキは押し入れから布団を引き摺り下ろす。
ぶつけた腕を庇いながら、不恰好に、部屋の隅に布団を敷いた。

「腕、どうしたのよ?怪我したの?」
「関係ないだろ」
「喧嘩したの?酷い事されたの?」
「うるさいなぁ…」
「そんな言い方しなくてもいいじゃない。心配してるのよ?」

布団に潜り込んで、頭から毛布を掛けたイツキの傍に、リョーコが詰め寄る。
肩の辺りに手を当てながら、心配そうに中を伺う。
しばらくは無視を決め込んでいたのだが、身体を揺すったり、頭を撫ぜたり、毛布を剥がそうとしたり…
鬱陶しいほどに、リョーコはイツキにまとわり付いていた。

心配するのは、相手を思い気遣っている訳じゃない。
自分に、相手を心配する余裕があると、信じていたいだけなのだ。


「イツキくん。…ねえ、イツキくんってば!」
「…うるさいっ」

とうとう耐えかねて、イツキは声を荒げる。

「毎日、死のうとしてる女に心配される筋合いは無いよ。俺のことより、自分の心配でもしろよっ」



毛布の中からそう怒鳴って…、リョーコが、一瞬、息を止めたのが解った。


それから、性質の悪い事に


リョーコはシクシク、泣き始めた。


posted by 白黒ぼたん at 23:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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