「…ぐ……っ…」
首を絞められたイツキは、俺の手を掴んで、「苦しい」と目で訴える。
それでも一向に俺の手が緩まないと解ると、今度は足もバタつかせて、渾身の力で俺から逃げようとする。
それも気が済むと
白い顔をより白くさせて、目を見開いたまま、動かなくなってしまった。
一度イツキから離れ、リビングのテーブルに置いてあった酒のボトルを取りに行く。
その場で一口飲んで、またベッドに戻り、またそれを口に含んだ。
ベッドに上がり、身を屈め、気を失ったままのイツキにキスをする。
顎を掴み、薄く開かせた唇の隙間から、酒を流し込んだ。
二度三度と繰り返すと、イツキは目を覚まし、むせ返す。
意識のないところに飲まされたものだから、気管の変なところに入ったようだ。
涙をぽろぽろと零しながら、苦しそうに身を折り曲げて激しく咳き込む。
安物のマッカランだが度数は40以上ある。ストレートで飲むには少々きついだろう。
それでも、その顔を無理矢理上に向かせて、さらに口移しで酒を飲ませた。
「…や…、だ…、マサヤ…。…や…、…や……」
「口、開けろ。黙って、飲め」
「…マサヤ…、……マサヤ……」
ボトルの酒は半分以上、口の端から零れてシーツに吸い込まれていった。
やがて、酒が無くなると、後は互いの唾液を流しあい、舐め尽くしていった。
2009年05月06日
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