2009年05月14日
後片付け
マサヤはシャワーが終わったら戻ってくると思ったのに
そのまま身支度をして、部屋から出て行ってしまった。
勝手な奴。
俺はソファとテーブルの間の床に寝っ転がって、ティッシュさえも取れずに、しばらく…天井を見つめていた。
マサヤが俺をどうしたいのかなんて、解らない。
俺も。
割れたビール瓶の破片で、あいつの事を、滅茶苦茶に切り裂いてもいいのに
多分、出来ない。
それどころか、酷い行為の後に優しく抱き締めて欲しいだなんて、思っていることに…腹が立つ。
あいつは、俺を、道具か何かぐらいにしか、思ってないのに。
「…っくしゅっっ」
いい加減、身体が冷えて来たので、俺もバスルームに向かう。
熱いお湯に身体を浸すと、とりあえず、小さな幸せを感じる。
ベッドルームの掃除は、正直大変だった。
まったく。誰がこんなに散らかしたんだろうって、鼻で笑った。
キレイに糊の利いたシーツを張って、やっと布団に潜り込んだ時には、もう、窓の外が白み始めていた。
俺は目を閉じると同時に、深い眠りへと落ちていく。
すごく、疲れていた。
もう少しだけ…意識が…はっきりしていたら…気が付いたかも知れない。
バスタブに、熱いお湯を入れてくれたのが…誰だったかって。
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/29123311
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。
この記事へのトラックバック
http://blog.sakura.ne.jp/tb/29123311
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。
この記事へのトラックバック