2011年09月11日

事務所に2人






千鳥足で西崎が事務所を出た後も、黒川と一ノ宮の2人は、残った酒とツマミを片付けていた。
冷蔵庫から冷えた缶ビールとカビの生えたチーズを出し、何だかんだと話を続ける。
酒に強い2人は、こうやって飲み続け…朝になってしまう事も度々だった。


「…そう言えば…、西崎さんに何か言っていましたね。…イツキ君の件で…」

そう一ノ宮が切り出すと黒川は、ふふと鼻で笑う。

「小野寺のゴタゴタの時な…。イツキがどうも余計な事まで知っているから、どこで話が洩れたのかと奴に問いただしてみた」
「おや。…出所は西崎さんでしたか?」
「イツキが自分から聞きに来たらしい。ご丁寧に身体を開いてな。…あの馬鹿」

そう言って、ビールを煽る黒川は怒っているようにも…滑稽すぎて笑いを堪えているようにも見えて…
一ノ宮も「…はあ」と曖昧な返事をするしかなかった。

「…でも、引越しはまた別の話しでしょう?」

黒川の目の前の空き缶を片付けて、次は焼酎のボトルを出して、一ノ宮が聞く。

「あながち別でもないだろう。イツキがあの部屋にいる事は、みんなが知っている。前に拉致られたのも、マンションの前だ。安全な場所とは言えないだろう」

備前の焼酎グラスに氷を入れ、焼酎をいれ、黒川はグラスを一ノ宮に渡す。

「ありがとうございます。
…イツキ君が心配だから、身の安全を守るために引越しをするんですね」

少し、茶化したように一ノ宮が言うと、黒川は決まりが悪そうな顔をしてチラリと一ノ宮を睨んだ。

今度は一ノ宮が、ふふと鼻で笑い、受け取ったグラスに口を付ける。

「そう、話してあげれば良いんですよ。あなたからきちんと説明してあげれば、イツキ君だって安心するでしょう。
1人で思い悩んで、暴走されては…困るのはあなたでしょう?」

「…まあな」


珍しく素直にそう返事をして、黒川もグラスに口を付けた。




posted by 白黒ぼたん at 00:04 | TrackBack(0) | 日記
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