2012年02月10日

大野の憂鬱







テルはガキの頃から優しい奴だったけど、家のゴタゴタがあって以来、それ以上に優しく…つか、必要以上に周りに気を遣うようになったと思う。
自分が助けられたから、自分も助けてやりたい…って気持ちはすげー偉いと思うけど
ちょっと行き過ぎじゃないかな…と思う時も、多々、ある。

こと、一樹に関しては…逆効果じゃないかと思うほど。


「……あ」
「…何?…おーの」
「いや、別に……」

昔の事を思い出した。

確か、小学校の低学年の頃。
近所で捨て猫を見つけて、テルは面倒を見ると言い出して、でも家では飼うことは出来なくて
俺も一緒になって、公園の遊具の隅で、ずっと猫を抱き続け、夜になっても抱き続け……

結局親に怒られるわ、猫には顔を引っ掻かれ逃げられるわ…と、そんな事があった。

「…あいつも、猫みたいだな」
「……は?…どうした?おーの?」
「いや」
「……気持ち悪いぞ、お前」

1人で思い出しては、くすくすと笑う。
そんな俺を、テルはいぶかしむ目で見遣る。


猫に


引っ掻かれないと、いいな、と思う。
けれど、すでに、ぎゅっと抱き締めて、ずっと離したくないと思ってしまう…自分に気付いて

少し、気が重くなった。




posted by 白黒ぼたん at 00:05 | TrackBack(0) | 日記
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