2014年05月25日

呑み助2人







「一ノ宮さんって、本当にマサヤの事が好きなんだね」



突然、イツキがそんな事を言い出すので、黒川は口に含んだ酒を吹きそうになってしまった。


「何だ、急に」
「別に、何となく。…そう思っただけ」


舟盛りのカンパチの刺身をぺろりと食べ、イツキもグラスの酒を飲む。
人目のない料亭の奥の座敷でなら、未成年のイツキでも、どうにか酒を飲む事が出来た。
それでも、仲居が次の料理を運んでくると、慌ててグラスを黒川の方にやる。
…そんな事も、杯が進んでしまえば、すっかり忘れてしまうのだけれど。


「一ノ宮と何か話していたのか、さっき」
「まあね」
「何を?」
「…いろいろ」


黒川の質問の答えを、焦らしているのか、ただ、酔いが回って答えるのが面倒なのか。
イツキは黒川をチラリと見遣り、目を伏せくすりと笑い、グラスに口を付ける。
黒川は答えを待っている様子だったが、まあ、大方の想像はつくようで、ふんと鼻を鳴らすとまた酒を飲む。
グラスが空になると、新しい吟醸酒のビン開け、それを自分とイツキのグラスの両方に注いだ。


「…一ノ宮とは…、長いからな。…あいつも、無駄な心配ばかりする」
「いい人だよね。俺、一ノ宮さん、好き」



そんな事を言うイツキを、黒川は一瞬驚いた顔で見るのだけれど
舟盛りのホタテを皿に取っていたイツキは、それには気付かなかったようだった。







はー…

美味しい刺身で一杯やりたい…(笑)
c
posted by 白黒ぼたん at 22:37 | TrackBack(0) | 日記
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