2023年12月03日
確認
ひとしきり喋り、謝罪し、後は静かになる。
謝罪が済めば他に用事は無いはずだが、当然それで終わるはずはなかった。
「…なあ。…この後、付き合わねぇ?
メシか酒でも、どうよ?」
「付き合いません」
「……じゃあさ、もう一回、やらせてくれねぇ?」
あまりにストレートな誘いに、予想はしていたが、イツキは呆気に取られる。
それで、了解の返事を得られるとでも思っているのだろうか。
「…やりませんよ。…俺が、手、出しちゃ駄目なやつって…、もう解ったのでしょ?」
「…そうなんだけどよ。……なんて言うか…、確認したくてさ……」
「…確認?」
夕暮れ時。
室内も急に暗く、寒くなる気がする。
二条はカウンターに身を乗り出し、奥のイツキを口説き始める。
そろそろ閉店時間なのだし、早いところ、この状況から抜け出さないといけない。
「確認することなんて、無いです。…もう、話も、無い……」
「俺はある」
いやに真面目に熱っぽく迫られて、イツキは若干戸惑っていた。
……実を言えばイツキにも、……確認したいことがあるのだ。
それは、黒川にも話していなかったのだが。
posted by 白黒ぼたん at 00:59
| TrackBack(0)
| 日記