2019年07月16日

口喧嘩








黒川は以前にも何度か、イツキが他の男と一緒にいる現場に出くわした事がある。
それは本当に、本気だった時もあるし、ただの勘違いや偶然だった時もある。
ただ、そんな時はいつも、黒川はイツキに手を挙げていた。

今回のように、まず相手に手を出すことは稀だった。
それだけ、頭に血が上っていたのか、冷静でいられなかったのか。





「……お前は目を離すとすぐに男を咥え込む…」
「じゃあ、目、離さなきゃいいじゃん!勝手に放っておいて、勝手なこと、言うなよ!
マサヤが……、俺のこと、放っておくから悪いんじゃんか!!」


怒鳴る黒川に、イツキは食い下がる。
言いたい事は、山ほどあるのだろう。


「……それはお前の為だろう!……大人しく、待っていられないのかよ!」
「待ってるよ!ずっと、ちゃんと、待ってたよ!……一人で暮らして、仕事して…ちゃんと、頑張ってるじゃん!……ちょっとぐらい何かあったって、いいじゃん!」





イツキがこれだけ反論するのも、まあ、稀だった。
それだけ腹に据えかねていたし、それを言うだけの強さも、身に付けたという事だろう。








「………あのー……」



殴られたまましゃがみ込んでいた林田が口を挟む。



「………とりあえず…、もうちょっと…声、押さえた方が……。ご近所さん、……出て来ちゃうかも………」







posted by 白黒ぼたん at 23:06| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記
最近のコメント
口喧嘩 by ぼたん (07/18)
口喧嘩 by ぷぷ (07/17)
来訪者 by ぼたん (07/16)
来訪者 by はるりん (07/16)
来訪者 by みん (07/16)
悪循環 by ぼたん (07/15)
悪循環 by はるりん (07/15)
騎士道 by ぼたん (07/14)
大熱唱 by ぼたん (07/14)
騎士道 by はるりん (07/13)