2019年07月15日

来訪者







人通りのない道、しかも真夜中。
すぐ真後ろにタクシーが停まり、イツキと林田は否応なくそちらを見る。


車内が明るくなり、ドアが開き、男が一人降りて来る。


それは、イツキが良く知る男だった。






「…………マサヤ…」





突然現れた黒川にイツキは驚き、名前を呼んだきり、口をあんぐり開けたまま固まる。
もっとも驚いたのは黒川も同じで…、……まさか車から降りてすぐに、見知らぬ男と手を繋ぐイツキに会うとは思わなかった。
林田に至っては何が起きているのかサッパリ解らず、イツキとこの眼光鋭い男は知り合いなのかと…互いを見遣るばかりだった。




「……そう言う事か…」
「……え…っ、……あっっ」




イツキが、自分がまだ林田と手を繋いだままだった事に気が付き、慌てて手を離す…

……よりも早く、


黒川の強烈な一発で、林田の身体が後ろに吹き飛んだ。











「……信じらんない!マサヤ、……急に出て来て、急に殴るなんて…!」
「どう考えてもお前が悪いだろう!」
「何もしてないじゃん!…林田さんは俺を助けてくれて、家まで送ってくれただけだよ!」




真夜中の道端で痴話喧嘩が始まる。
殴られた林田は尻もちをつき、そのまま呆然と、二人のやりとりを眺めていた。





posted by 白黒ぼたん at 21:37| Comment(3) | TrackBack(0) | 日記
最近のコメント
口喧嘩 by ぼたん (07/18)
口喧嘩 by ぷぷ (07/17)
来訪者 by ぼたん (07/16)
来訪者 by はるりん (07/16)
来訪者 by みん (07/16)
悪循環 by ぼたん (07/15)
悪循環 by はるりん (07/15)
騎士道 by ぼたん (07/14)
大熱唱 by ぼたん (07/14)
騎士道 by はるりん (07/13)